少額でも遺言を
相続争いになるほどの遺産はないからといって安心はできません。遺産分割事件(家庭裁判所で認容・調停成立)のうち、1000万円以下のケースが約30%(総数8951件に対し1000万円以下2894件、平成25年司法統計より)存在します。
相続人の欠格事由
たとえ親や子であったとしても、だましたり脅したりして遺言させたり、遺言を撤回させたり、取り消し、変更させるようなことはできません。同じように遺言に関わる行為を妨げることもできません。そのような詐欺、脅迫をした者、偽造、変造、破棄、隠匿した者は相続権が剥奪されます。(民法891条)
自筆証書遺言の要件2
年月日については、特定できれば有効とのことですが、誰が見てもわかるようにしておくことをおすすめします。封筒について、封印する必要はないのですが、偽造・変造の恐れがあるため、封印することをすすめる専門家が多いようです。同様に偽造防止のため、印も実印を使用し、印鑑証明を添付して...
自筆証書遺言の要件1
まず、自筆であること、つまり全文、日付、氏名を自分で書くということです。誰かに代筆してもらうと無効です。次に押印ですが、実印である必要はありません。遺言書本文に押印がない場合でも遺言書本文を入れた封筒の封じ目に押印がされていれば押印の要件は満たされているということになるよう...
遺言の撤回
当然ながら遺言書は撤回できます。遺言書を書き直す際は「過去に作成した遺言はすべて撤回する」旨を明記しておきます。ご自分で保管されている自筆証書遺言の場合は簡単に廃棄できますが、公正証書の場合は記録として残ってしまいます。公証人役場へ行って、撤回の手続きをすることも可能ではあ...
予備的遺言
遺言を書いた後、財産を遺す相手が先に亡くなってしまうケースもあります。そのような場合を想定した遺言が予備的遺言です。例えば「長男に○○の土地を相続させる、但し長男が先に亡くなった場合は次男に相続させる」といった内容になります。この場合、遺言を書き直すということももちろん可能...
遺言を書く上で
遺言は完璧にしようとすると無理が生じ、挫折につながりやすくなります。現在の状況でとりあえず、書いてみることをお勧めします。公正証書にする際は特にお金もかかるので、慎重にと考えます。お気持ちは分かりますが、全ての事態に対応する遺言はあり得ないと割り切ることが肝心です。付言でど...
遺言執行者
遺言執行者とは遺言の内容を実現する任務を負う者です。遺言執行者を決める方法は3つあります。①遺言者が遺言で指定する②遺言者が遺言でその指定を第三者に委託する③家庭裁判所が利害関係人の請求により選任する 遺言執行者を相続人に指定することも可能ですが、トラブル防止のためには第三...
認知について
認知の効力は出生の時に遡って効力を生ずる(民法784条)ので、遺言で認知したい旨を記し、認知した子に相続させることも法律上可能です。しかし、あまり現実的ではないように思えます。亡くなった後では遺伝子検査も困難でしょう。成年に達している子を認知する場合、子の承諾が必要であり、...
遺留分について
遺言を書いてあるから安心というわけではありません。相続人が配偶者と子1人の場合、「配偶者に全財産を相続させる」と遺言しても子は本来の法定相続分(1/2)の1/2、つまり1/4を遺留分として請求できるのです(遺留分減殺請求権)。兄弟姉妹に遺留分はありませんので、配偶者がいて子...