第二種財産分離
前回は被相続人の債権者(又は受遺者)の話でしたが、今回は相続人の債権者についての話です。限定承認ができる間又は相続財産が相続人の固有財産と混合しない間は、相続人の債権者は同じように家庭裁判所に財産分離の請求をすることができます。(民法950条)遺産に消極財産が多い場合、相続...
第一種財産分離
相続債権者(被相続人の債権者)又は受遺者は相続開始の時から3か月以内に、相続人の財産の中から相続財産を分離することを家庭裁判所に請求することができます。(民法941条)被相続人にお金を貸している人又は遺贈を受ける人が相続人の債権者に債権回収される前に弁済を受けるようにするた...
負担付遺贈
受遺者が負担した義務を履行しないときは、相続人は相当の期間を定めて履行を催告します。その期間内に履行がないときは家庭裁判所に負担付遺贈の取消しを請求することができます。(民法1027条)遺贈を受けるかどうかは自由ですが、負担付遺贈の場合は負担なしに遺贈を受けることはできません。
夫婦の共有財産
夫婦のいずれに属するか明らかでない財産は、その共有に属するものと推定(民法762条2項)され、明らかに一方のものと判断されるケースを除き、夫婦共有の物と推定されます。夫婦で資金を出し合って購入した不動産の名義がたとえ単独であったとしても、実質は共有財産と考えられます。
財産分与請求権
協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができます。(民法768条)これは経済的弱者、つまり家事や子育てのために専業主婦やパート等の短時間労働者にならざるを得なかった妻を救済するためのものと言えます。財産分与請求は離婚のときから2年以内にする必要...
秘密証書遺言(その2)
遺言書の本文はワープロや代筆でも可能となりますが、自署、押印は必要です。封筒に入れ、遺言書に押印した印と同じもので封印する必要があります。通常の公正証書遺言と同様に証人が2人必要なので、その分の費用がかかる恐れがあります。また、自筆証書遺言と同様、保管にも気を付けなればなり...
秘密証書遺言(その1)
内容を明かさずに公正役場に遺言したことを記録できますが、保管はされません。自筆証書遺言と同様に家庭裁判所による検認が必要となります。手数料は記載された財産の額に関わらず1万1000円です。通常の公正証書遺言の財産額200万円超~500万円の手数料と同じですので、それより多く...
停止条件付遺贈
遺贈にあたり、停止条件をつけることも可能で、その条件が成就した時にはじめて遺贈の効力が発生することになります。もし、条件が成就不可の場合は遺贈自体無効となります。逆に相続人死亡前に成就している場合は、無条件で相続開始と同時に遺贈の効力が発生することになります。
付言
遺言の最後に遺言を書いた経緯、意図などを付け加えることで相続人も遺言を受け入れやすくなります。また、ご家族への感謝の言葉が残っていると受け取る方は悲しいけれど、嬉しいものです。告げ口、悪口の類は避けて下さい。ご自身の品位に関わりますので。
相続発生後の財産
不動産の賃貸収入を得ている方が亡くなった場合、相続開始から遺産分割までの間の家賃については法定相続人の共有財産となりますので、相続人同士の特段の定めがない場合、法定相続分の割合で配分することになります。金額によっては所得税の申告をする必要があります。